仕事帰りの家も間近に迫った場所で道を尋ねられました。
60代半ば位の自分の親より年を取ってそうな人でした。
何でも上本町六丁目に行きたいそうなんですが、僕の家は四ツ橋です。
「歩いて行くなら1時間はかかりますよ。」と伝えたところ、財布をなくして今も阿波座から歩いてきた、という事でした。
上六で警察に行ってお金を借りるというような事を言っていました。


何故上六に行かなくてはならないのかはよくわかりませんでしたが、時間も22時を回ってます。
自分も財布をなくした事を何度か経験してますし、その辛さはわかります。
ここまで4・50分歩いて、今から1時間歩く。

何だか大変だなぁと思って、ポケットの中から500円玉を取り出して、「これで電車で行ったら」と提案してみたんですね。


相手「ありがとうございます、助かります」
自分「いえいえ、いいですよー。」

とここで終わるはずだったんですが。

相手「あの、すみません」
自分「はい？」
相手「私関空の近くに住んでまして」
自分「はぁ」
相手「後1000円貸して貰えれば家まで帰れるんですが」
自分「・・・・・・・・・・・」

結局色々な葛藤の末に1500円渡しました。
相手は「お金のことなんで、必ず返します。連絡先を教えてもらえますか？」 と言ってきましたが、そこは丁重にお断りをしまして。

最初の500円は気持ちよく渡せても、次の1000円は渡すのを躊躇ってしまう。
葛藤したり躊躇ってるのが今の自分なんだなーと思わされた出来事でした。

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